本年最終
昨日仕分けた洋書のうち、ヤフオク用を出品。写真撮影がメンドくさくて1時間ほどとりかからずにだらだらする。市場で束で落札すると入札するときに気付かなかったものが仕分け中に見つかることなどは日本語の本でもざらだが、洋書だとよほど頻出する。英語も覚束ない語学力ではしかたのないことだ。写真撮影を先延ばしにする口実に、まずは一冊一冊時間をかけて調べる。イギリスの摂政時代(リージェンシー/1810年代)に花開いた男性ファッションに関する本と、その中心にいた「ボー(Beau=洒落者)・ブランメル」ことジョージ・ブライアン・ブランメルについての本を複数発見。いずれも1900年代初めの刊行だが状態良好で、クロス装に天金、箔押しなどの装丁は美しく、挿絵もスマート。モノとしての佇まいに惹きつけられる。加えてブランメルの人となりや、英国紳士・ダンディズムの源流となるリージェンシーという時代にも興味を覚える。まったく知らなかったもの、うまくすれば自分の心をくすぐるものに、日々の仕事のなかで出会えるのも職業古本屋であることの魅力。しかもそうして吸収した知識は次や未来の仕事にきっと活きるのである。「Beaux」は「Beau」の複数形。「洒落者たち」の意。などを覚えていきたい。が、忘れるだろうな。
明日帰省します。以降ホームページの更新ができませんので、これが本年最後のブログです。まだスタートして二ヶ月も経っていませんが、これまでとりとめのない駄文にお付き合いくださりありがとうございました。
引越して、退職して、開業して、組合に加盟して、とにかく変化変身ばかりして過ごした一年でした。2016年年頭の自分を思い起こすと早くも今昔の感に堪えません。環境も心境も別の人間のもののように変わりました。続々押し寄せてくる事務書類と留まることを知らない請求書に急き立てられて一人てんやわんやで、この一年をもう一度繰り返せと言われたら泣いて断ります。
ともあれ、一古本屋として2017年を迎えられる(まだわからない、たぶん)ことに感激しています。ひとえに皆様のお力添えのおかげです。本当にありがとうございました。来年も繰り返したくない一年になるといいと思っています。どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
みなさま、よいお年を。